ハーバード大の人気教授の本、「これからの『正義』の話をしよう」の感想。
こないだ紹介したハーバード大学のサンデル教授の本(http://d.hatena.ne.jp/shinmai-lawyer/20100826/1282754894)を早速買って、少し読んでみた。
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
- 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 単行本
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サンデル教授の講義が人気なのは、非常に普遍的だけど悩ましい哲学の問題について、具体例を用いてとてもわかりやすく「問題の所在」を示してくれるからではないかと思う。
サンデル教授が取り上げるのは、テーマは普遍的で、専門知識がなくとも誰もが考えられる問題だが、それだけに「知っていれば解ける」というものではなく、むしろ答えなど無いに等しい問題ばかりだ。
面白いなと思ったのは、正直「哲学」という学問は、日本ではあまり人気のある科目とは言えないと思うけど、このサンデル教授の授業は、アメリカのハーバード大学史上最大の履修者数を誇り、はじめて公開に踏み切ったほどの超人気講義となったということ。
もちろん、サンデル教授の講義の腕(口?)が素晴らしいということはあるのだろうけど、それにくわえて、日本のように「知識」を重視するより、「考え方」を重視する教育制度の違いが大きいのではないかと思った。
もっとも、この本は日本でもベストセラーになっているし、NHKで放送されたサンデル教授の授業も人気だったようだ。日本でも、こういう「考える」教育の需要は案外大きいのかも知れない。