今度はとある新人弁護士のブログが話題に・・・。(追記)

なんだか最近法曹業界の若い世代のブログが話題になることが多い気がします。


今度は、プロボクサーと兼業で、「即独」(弁護士になってからどこにも雇われずすぐに独立すること)して弁護士業をされていて、時折ニュース等でも見かける現行62期の方のブログ(http://blog.livedoor.jp/lawyer_boxer/)での記事が、法曹ブログ界隈で話題になっていたようです。


話題になっていた内容については、http://togetter.com/li/198449や、http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-91d5.html等に詳しく紹介されています。ごく簡単に言えば、検察庁や法務局での不適切な言動についてのようですが、既に謝罪記事を出されていますし、話題に乗り遅れている感もありますので、この件について特段コメントは致しません。


(10月13日追記)

謝罪記事だけではなく、実際に謝罪に行かれたようです(http://blog.livedoor.jp/lawyer_boxer/archives/4660138.html)。原因となった行為はともかく、自分の過ちを認めて直接相手に謝罪するのはなかなか出来ることではないと思いますし、素晴らしいと思います。

また、私は何か「違う」と思ったときに「これは違う!」と怒ったり闘ったりするということが比較的苦手なので(もちろん、弁護士としてクライアントのために言うべきことは言いますが)、(態様はともかくとして)この方の闘う姿勢は見習うべきところがあるなと思いました。ほぼ同世代の弁護士として、これからも頑張って欲しいです。



ただ、ごく一般論として、「即独」をすると、弁護士としての基本的な業務(弁護士としてのあり方、考え方や営業の仕方から細かい事務的なところまで)を先輩弁護士から教えてもらう機会が、既存の事務所に勤務する弁護士(いわゆる「イソ弁」(=居候弁護士の略))に比べて得にくいわけで、特に最初は色々失敗や苦労をすることがあると思いますし、即独して頑張っている弁護士は本当にすごいなと思います。


私の同期や直接の知り合いにも何名か、即独やそれに近い弁護士(既存の事務所に短期間籍を置いて既に独立している弁護士)がいますが、彼ら/彼女らの苦労は並大抵では無いと思われます(地方で、昔から即独をするのが普通で、即独しても周りの弁護士からの厚いサポートがあるところもあるようですが、それでもきっと大変だろうと思います)。


逆に言えば、この不況の中、即独ゆえの苦労を乗り越えて事務所を軌道に乗せている弁護士は、それだけ実力と経験のある弁護士と言えるわけで、本当に尊敬できます。自分も今は勤務弁護士ですが、将来は独立する可能性もありますし(もちろん独立せず事務所に残るにしても同様ですが)、彼ら/彼女らに負けないよう、少しでも力を磨かなければと思います(即独の苦労や軌道に乗せるまでの道筋について、高橋先生の「司法修習生のための即独マニュアル」というタイトルの記事→http://ameblo.jp/kamatastudy/entry-10620338818.html。昔読んで大変感銘を受けました。ついいつも気持ちに甘えが出てしまう自分への戒めとして)。



他方で、いくら即独だから最初は失敗や苦労をすることがあると言っても、利用するクライアントから見れば即独だろうがそうでなかろうが弁護士は弁護士なわけで、クライアントに迷惑や損害が及ぶような失敗は無くさなければならないとも思います。最近は法曹人口の増加に伴って従前より即独の弁護士が増えているようですが、個々のクライアントの保護はもちろん、弁護士全体への国民の信頼を保つという観点からも、即独であっても「致命的な」失敗はしないように、特に最初の数年の立ち上げ時期については、制度的なバックアップを考えていかなければいけないであろうと思います(もちろん既に各弁護士会単位でのサポートや若手弁護士向けメーリングリスト等、様々な試みがなされていますが)。