アメリカのローファームと日本の法律事務所の違い①(業務の専門化)

「①」なんてシリーズ風につけてみましたが、飽きっぽいので続くかわかりません(笑)


ただ、せっかくアメリカのローファームで働かせて頂ける機会を得たので、なんとなく感じたことをつらつら書いてみようかと思います。

(注:働いている期間が短いこと、ロースクールにはまだ行っておりませんことから、多分に不正確な情報を含んでいる可能性があることをご容赦ください。また、これは他の記事にも言えることですが、守秘義務がありますので、わざとぼかしたり、突っ込みきれず投げっぱなしにしている部分もありますが、温かい目で見守って頂けますと幸甚です。)


・ ・ ・ ・ ・ ・


まず、第一に感じた違いとしては、こちらでは日本よりもさらにはっきりと、しかも若いうちから、業務分野の専門化がされているなーという事。


もちろん、事務所のカラーや規模にもよるとは思いますが(1人ないし数人の事務所や、企業法務メインではない事務所ではもちろんジェネラリストも多いでしょう。でも小規模な事務所でも、移民法とか離婚とか税とか、特化しているところも多いです)、少なくとも中堅〜大手の企業法務メインの事務所の場合、「Litigation」とか「Corporate」とか「Finance」とか(もっと細かく、「Real Estate」等もあります)、1年生の段階からはっきり分かれている場合が多いように思います。私がお世話になっている事務所でも、1年生も含めてはっきりチーム分けがされています*1。私が来所した当初も、「あなたの専門は何?」とよく聞かれました。


アメリカでは司法試験の難易度が日本と比べて相対的に低く、司法試験対策としてはロースクール卒業後に予備校(バーブリ等)で2ヶ月程度勉強するだけ(それでもだいたい受かる)なのが通常という事情もあって、アメリカの学生は、ロースクールの段階で、どういう分野を専門にしていきたいのか、ある程度はっきりと展望を持って、それに的を絞った勉強をしているのだろうなと思います。したがって、入所の段階で割と明確に専門を決められるのかなと思われます。日本の法科大学院でももちろん専門的な法律の授業はありますが、そうは言ってもやはり、司法試験科目となる法律により高い比重があったように思います。


もちろん、本で勉強していることと、実際に実務に出てからやってみることにはかなり違いがありますので、早い段階で専門を決めるのが良いかどうかは一概には言えないです。「やってみたらやっぱり向いてなかった!」みたいな時にはどうするのか、機会があったらこちらの弁護士に聞いてみたいなーと思います。



・・・長くなったので、いったんこのへんで(つづく?)

*1:ちなみに、アメリカでは、ロースクール卒業後、司法試験に受かる前に、アソシエイトとして法律事務所に入所する場合が多いようです。そして、希望する法律事務所に就職できるかどうかは、基本的にはロースクール1年目の成績で決まるらしい(1年目の成績でどこのサマーインターンに行けるかが決まり、サマーインターン先に就職する場合が多い)。