偽装請負について

弁護士会の研修で、今話題の偽装請負について勉強したので、講義内容をごくごく簡潔にまとめた私的なメモ(取り急ぎ骨子のみ。中身は時間があれば)。


労働法選択ではなく、まだ業務でも直接触れたことはないが、DDの労働パートとかでよく問題になっているのは耳にしている。興味のある分野である。(このようなレベルなので、内容の正確性は全く保証しません。)


1 偽装請負とは


 ごく簡単にいうと、実態は労働者の派遣であるのに、契約形式上は請負であると偽装し、労働者派遣法法の規制を免れようとすることである。
(労働者派遣法は、派遣される労働者の権利を守るための法律)


2 法律の構造


 ①職業安定法44条により、原則労働者供給事業は禁止されている。

 ②同4条6項により、労働者派遣法2条1項に規定する労働者派遣は
  「労働者供給」から除かれている。

 ③派遣法は、労働者派遣につき、さまざまな法的制限を設けている(禁
  止業務、受け入れ期間の制限、雇用申込義務、労働・社会保険の加入
  義務等)

 ④これらの規制を回避するべく、偽装請負が生じた。


3 偽装請負と派遣の区別


 東京労働局・厚労省がチェックシートを出している。
 最終的には、「専門性の有無」が判断基準となる(講師の感覚では)。


4 事案


 ①アテスト事件
 ②日野自動車事件
 ③コラボレート事件
 ④松下プラズマディスプレイ事件
 など。


5 その他キーワード


 ・二重派遣・多重派遣
 ・偽装出向





ついでに、
最近厚労省が若者向けにまとめた労働法のハンドブックが話題になってたのでご紹介。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000rnos.html