車ランプにカルテルの疑い、小糸製作所等に公取委立ち入り調査

http://mainichi.jp/select/biz/news/20120313dde041040007000c.html

カルテル:車ランプで受注調整か 公取委小糸製作所など4社立ち入り

 自動車メーカーに販売するヘッドランプなどのランプ部品を巡り、カルテルを結び受注調整を繰り返した疑いが強まったとして、公正取引委員会は13日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで小糸製作所(東京都港区)などメーカー4社の本社や営業所約20カ所を立ち入り検査した。

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4社は遅くとも02年ごろから、トヨタ自動車やホンダなど自動車メーカーがモデルチェンジする際に実施したランプ部品のコンペで、事前に協議して見積価格を調整し、受注予定者を決めていた疑いがある。

 ランプ部品にはヘッドランプのほか、ブレーキランプやテールランプが一体となったリアコンビネーションランプ、方向指示器、室内灯などがあり、市場規模は年間2000億〜3000億円。4社でシェアの大半を占めるという。

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 ◇欧米当局調査、他部品に拡大も

 自動車部品のカルテル疑惑では、米国や欧州連合(EU)など海外の当局も、日本の部品メーカーが海外の現地法人でも受注調整した疑いがあるとして調査を進めている。企業関係者によると、一部のメーカーが公取委や海外当局に数十種類の部品でカルテルの疑いがあると自主申告したとの情報もあり、疑惑はさらに広がる可能性がある。

 公取委は10年2月、車に使う電線を巡る疑惑で矢崎総業(東京都港区)などを立ち入り検査。昨年7月にはラジエーターやワイパーなどの部品を巡りデンソー(愛知県刈谷市)やミツバなど7社に立ち入り検査した。海外の当局も公取委と歩調を合わせ、矢崎総業デンソーなどの現地法人を調査。矢崎総業は既に公取委から約96億円の課徴金納付命令を受け、米国司法省と4億7000万ドルの罰金で合意している。

 今回公取委の立ち入り検査があったランプ部品についても、市光工業が米国やEUの当局から既に情報提供を求められ、調査に協力しているという。

 部品メーカーによるカルテル疑惑が相次ぐ背景には、競争激化で自動車メーカーの値下げ圧力が強まっていることがある。かつて自動車メーカーは系列会社に部品を発注していたが、低価格で仕入れるため複数の企業が参加するコンペを開くことが増えたという。

 これに対し部品メーカーは協議して受注を分け合うほか、見積価格を調整し価格の低落を防ごうとしたとみられる。

(赤字はブログ筆者)

(参考過去記事)
http://d.hatena.ne.jp/shinmai-lawyer/20120202/1328129479

矢崎総業のワイヤーハーネスの件では、矢崎総業が単体では過去最高の約96億円の課徴金納付命令を受けています。
自動車部品がらみのカルテル疑惑はかなり問題が拡大していきそうで、今後も要注目ですね。